働きすぎで倒れた経営者が気づいた真実|私が“両想いビジネス”に出会うまでのリアルな話

「働き続けているのに、なぜか幸せになれない」──これは、かつての私自身の姿でした。
経営者として結果を出し続けても、心はどこか満たされない。
そしてついに、身体が悲鳴を上げて倒れたとき、私は初めて「頑張りすぎることが、幸せを遠ざけていた」という現実に気づきました。
本記事では、私が“働きすぎ”で失敗した経験と、そこから「両想いビジネス」に出会うまでのリアルな転機をお話しします。
同じように頑張りすぎている経営者の方に、少しでも「休んでもいい」という希望を届けられたら幸いです。

止まれなかった経営者時代──成果こそ正義だった日々

首席卒業、広告業界、そして成果主義の沼へ

私は関西大学工学部システムマネジメント工学科を4年連続で成績1位、首席で卒業しました。
常に「結果を出すこと」が自分の存在意義であり、期待に応えることこそが正義だと信じていました。
社会人になってからもその姿勢は変わらず、広告代理店で試用期間中に年間MVPを受賞。
周囲からは「努力家」「できる人」と評価されましたが、その裏側では、1日3時間睡眠の生活が続いていました。
当時の私は、心身の疲労を「まだいける」「もっとやれる」と言い聞かせ、むしろ誇りにすら感じていました。
今思えば、それが“頑張ることに依存した働き方”の始まりでした。

初めての成功体験が“呪い”になる

その後、美容医療業界へ転職し、Webマーケティング部長として月商1.3億円の事業を3.5億円超にまで成長させました。
誰もが羨む成功を手に入れたはずなのに、心はどこか空っぽ。
「もっと上を目指さなければ」「立ち止まったら終わる」と、常に自分を追い立てていました。
成功体験は喜びではなく、次のプレッシャーの種になっていたのです。
称賛されるほど、心のどこかで「もっと働かなければ」と焦りが募り、成果が自分の価値を証明する唯一の手段になっていました。

独立後に訪れた“心の崩壊”──SNS炎上と3ヶ月の高熱

「頑張り続ける」を奪われた瞬間

独立してからは、ありがたいことに多くのクライアントに恵まれました。
しかし、ある小さなトラブルがきっかけで、SNSで炎上。
一晩で大量の誹謗中傷が届き、「自分の全てが否定された」ような感覚に襲われました。
炎上がきっかけで売上が下がり始めたとき、私は「ここで止まってしまったら人生が終わる」と思い込んでいました。
不安を埋めるために働き、数字を追うことでしか自分を保てませんでした。
努力の甲斐もあって業績は盛り返しましたが、ついに身体が限界を迎えました。
3ヶ月以上もの高熱に悩まされ、仕事どころか日常生活すらままならない状態に陥ったのです。

ベッドの上で初めて気づいた「誰のために働いていたのか」

ベッドの中で、天井を見つめながら何度も考えました。
「私は一体、誰のために、何のためにこんなに頑張っていたのだろう?」と。
そのとき初めて、“幸せになるために働いていたのに、働くことで幸せを遠ざけていた”という矛盾に気づいたのです。
体も心も動かない時間の中で、私は“頑張る”という言葉の裏に潜む危うさを痛感しました。
成果を出すために自分を犠牲にしても、誰も幸せにならない──その事実が胸に突き刺さりました。

転機──“休む勇気”が人生を変えた瞬間

「休む=逃げ」ではなかった

ようやく少し体調が戻った頃、私は「一度休もう」と決意しました。
最初は罪悪感でいっぱいでした。
しかし、休む時間の中で気づいたのは、「休むことは逃げることではなく、立て直すための行動」だということでした。
人は、止まって初めて見える景色があります。
走り続けていたときには気づけなかった、人の優しさや季節の移ろい、家族の笑顔。
それらが私の中の“軸”を少しずつ取り戻してくれました。

休んだことで初めて見えた“本当の価値”

不思議なことに、休むようになってから、むしろ仕事の質が上がりました。
焦りが消え、クライアント一人ひとりに向き合う時間が増え、関係も深まりました。
すると、売上よりも「信頼」「感謝」「誠実さ」を重視する経営こそが長期的な成果を生むと気づいたのです。
「成果のために自分を犠牲にする経営」から、「自分と周囲が幸せでいられる経営」へ。
この価値観の転換が、私の人生を大きく変えました。

“両想い”という言葉に出会った日

あるとき、ふと「ビジネスにも“両想い”という関係があるのではないか」と思ったのです。
「こちらが頑張って与える」のではなく、「お互いが自然と喜び合える関係」。
それが、私の中で“両想いビジネス”という概念に形を与えました。
この気づきは、単なるビジネス理論ではなく、私自身の生き方そのものを変えました。
頑張るよりも、「整える」「余白を持つ」「信頼でつながる」。
この3つが揃ったとき、経営も人生も、ようやく穏やかに流れ始めたのです。

働きすぎ経営者が陥る3つの落とし穴

【1】「成果=自分の価値」と思い込む

働きすぎ経営者の多くは、「結果を出せば愛される」「成果がなければ価値がない」と無意識に思い込んでいます。
しかし、成果はあなたの“存在価値”ではありません。
あなたの価値は、数字ではなく、人を思いやる心と、誠実に向き合う姿勢の中にあります。

【2】「止まったら終わる」という恐怖

「動き続けなければ不安」という感覚は、多くの経営者が抱えています。
しかし、本当に怖いのは“止まること”ではなく、“自分を見失うこと”。
一度立ち止まることでこそ、方向を修正し、より良い未来へ進むことができます。

【3】「他人の期待」を自分の目的と錯覚する

経営者は、社員・取引先・家族など多くの人に期待される立場です。
だからこそ、自分の本音よりも「期待に応える」ことを優先してしまう。
でもそれでは、どれだけ成果を上げても心が満たされません。
本当に大切なのは、他人の期待ではなく、自分の納得感です。

まとめ|“頑張る経営”から“両想いビジネス”へ

私は、働きすぎの果てに「頑張りすぎるほど幸せが遠ざかる」という真実に気づきました。
そして、休む勇気を持ったことで、初めて信頼・成果・幸福が同時に戻ってきたのです。
「両想いビジネス」とは、経営者・お客様・家族、そして自分自身が“無理せず幸せでいられる”経営のあり方です。
次の記事では、そんな考え方を体系化した「両想いビジネスという新しい選択肢」について、具体的にご紹介します。
どうか今日も、あなたが“頑張らなくても愛される経営者”でありますように。